小学校時代の唯一の友だちは図書館。
元書店員のあんちゃです。漫画を愛し、漫画に愛され早18年。
社会人になってからなにかと忙しくてじっくりマンガを読む機会が減ってしまったんですが、そんなときこそ「1冊完結でサクッと読める単巻マンガ」がいいんですよね〜〜(*´ω`*)
ということで今回は、これまで400冊以上の1巻完結マンガを読んできたわたしが厳選したおすすめマンガを紹介していきます!
面白いマンガを見つけたら随時更新していくよ〜┗(^o^ )┓三
サクッと読めて面白い!1巻完結のおすすめ漫画
女の穴/ふみふみこ【エロ神秘】
エロいようで神秘的、ちょっと切なくてゆがんだ愛情を描く短編4つが入った、ふみふみこ先生の世界観が興味深い漫画。それぞれ4人のちょっと変わった女の子が主人公となって登場します。
「自分は宇宙人で、地球人の子どもを作るよう命じられているので自分と寝てほしい」と担任教師に迫る女子高生、死んでしまった大好きな兄を人面疽として後頭部に寄生させ続ける妹、ハゲデブで同性愛者のオッサン教師をいたぶり続ける女子高生など・・・
ちょっとゆがんだ愛情表現だけど、純粋に人を好きになる気持ちが伝わってくるような、読んでる側も不思議な感覚にさせられました。ふみふみこワールドにハマってしまいそうだ・・・。
珈琲時間/豊田徹也【ほっこり日常】
コーヒーがあるだけで、世界はこんなに美しい。「コーヒー」をモチーフにした芳醇な短編集。
チェロ弾きの女性が出会った、怪しいイタリア人(?)。映画監督を名のり、コーヒーをたかる彼の振る舞いはいかにもうさんくさいが……? 登校拒否の少女が一人暮らしの叔母を訪れ、いっしょに生豆を焙煎し淹れたてのコーヒーを味わう……。などコーヒーにまつわる様々な物語を17編収録。
-あらすじより
一話が数ページで終わるような超短編集。
ひとつひとつのイラストや描写がすごく繊細で綺麗で、ほんとに珈琲を飲みながらゆっくりと読み耽りたい1冊。超短編だけどしっかりストーリーがあり、クスッとくるもの・ちょっと泣けるもの・幸せな気分になるものなどバリエーション豊富で読み応えたっぷりです。ああ、珈琲が飲みたくなる・・・。
今日の漫画/史群アル仙【ウツ切ない】
懐かしくて、かわいくて、切なくて、つらい。1ページで心を揺さぶる物語
-あらすじより
平成生まれの著者がどこか懐かしい昭和のタッチで描く作品集。
著者の史群アル仙さんは、幼い頃から昭和の漫画に魅了され「自分の手で昭和の漫画の画風を現代へと引き継ぐ」ことを決意したそう。2013年あたりにツイッターで「1ページ漫画」を出しはじめてから多くの注目を集めるようになったようです。
読んでもらえればわかると思うんですが、なんかすごく懐かしい気持ちと悲しい気持ちが入り混ざるような、本当に繊細な漫画でした。
▼ちなみにわたしが一番グッときたのはこの話。(著者のツイッターより引用)
今日の漫画「ダメ息子とお父さん」 pic.twitter.com/19f5DkM2Us
— 史群アル仙@6/22今日の漫画2 (@shimure_arusen) 2014年1月31日
アル仙さんは、「愛」と真摯に向き合う方だなぁ。。(T . T)
音楽と漫画と人/戸田誠二【音楽人必見】
ショートショートの奇才・戸田誠二が魅せる、異色作。 音楽業界誌『音楽と人』誌上で6年間にわたり連載された、 2頁×69作品を完全収録!!
-あらすじより
音楽って、どんな人にも身近にあるものだと思うんですが、そんな音楽にまつわる超短編がぎっしりつまった作品集。
バンドマンや音楽をよく聴く人には絶対読んでほしいなぁ。
戸田先生も人情の溢れる描写がうまくてウルっとしてしまう。。。
途中すごく印象に残ったセリフがあったんですが、
「仕事や生活に追われて 人類がいつ風景を 音を 美しいと感じるようになったのか そんなムダなことを考えるのを いつやめたんだろう」
と。
大人になって、忙しくなって、失いかけていたものはなんだろう?と考えさせられるストーリーでした。
スピカ/羽海野チカ【温かいドラマ】
「3月のライオン」「ハチミツとクローバー」でおなじみの人気漫画家・羽海野チカ先生のデビュー当初の短編を集約して一冊にした作品集。
ファンタジーなストーリーの中に、人の愛に触れる瞬間がちょっとホロリとくる。。羽海野チカ先生は初期の頃から変わらず素敵な漫画を描く人でした。
本自体は薄くてサクッと読めるのですが、読後感が幸福感に満たされるような、ふわふわした気持ちになれるんですよね(T . T)
ちなみにこの本、印税がすべて東北震災の復興への義援金として寄付されているそうで。そこも含めてこの短編集の魅力がありますね。
その先の風景/藤原薫【ウツ耽美系】
「おれ ねむってる女しか抱けないよ…」ねむっている女しか抱けない兄と、心臓を患い、セックスを禁じられている妹。そして二人を静観する兄の恋人。妹は毎夜、死んでいる自分を誰かが抱く夢を見る。不可解な夢の暗示するものとは何なのか…。三者三様、絡み合う歪(いびつ)な想いの行く先は──?
-あらすじより
こういうの大好き・・・。
わたしは禁断系の恋愛?というのか・・・歪んだ愛を描く作品が大好きなんですが、藤原薫先生の作品は見事にドストライクです。。ジャケ買いするほどイラストも美しく、「耽美」という言葉がこんなにしっくりくる漫画はないですね。
絵のテイスト(まつげファサッとした外国人みたいな感じ)もストーリー展開も読む人を選ぶかとは思いますが、ちょっと暗くてウツっぽい展開・歪んだ愛を描くような作風が好きな人には絶対的におすすめ。
運命の女の子/やましたともこ【サイコホラー他】
青年誌・女性誌・BL誌で幅広く活躍しているやましたともこ先生の長編読み切り3作品集。
こちらもほぼジャケ買いだったんですが(笑)、表紙を飾っている1つめの作品「無敵」。16歳の美しい殺人少女と女刑事の対峙を描いているのですが、この作品の臨場感とサイコホラー感が半端ない。
少女の表情とか空気感の描写がもうゾワッとする。。この作品を読めただけでも買った価値があると思えるストーリーでした。
それに続く他の2作品はほっこり切ない話で、ビクビクした感情が緩和されて読後感は幸せでしたw
ナイト・ワーカー/やまじえびね【女心の闇】
女性にはすごく読んで欲しい内容。「女」という性が引き起こす日常に潜む”危うさ”が見事に描かれていました。
読み切り2作品が収録されているんですが、どちらの作品も「同性愛」や「性的虐待」などセンシティブなテーマを取り入れており、人間のもろさとか欲望とか、心の傷とか、人の心理的な”闇”の本質に迫るようなストーリー。
著者のやまじえびね先生が、あとがきのところで「性的虐待や暴力については極力触れないでおきたかった。でも触れたくないということは、触れるべきなのかもしれない」とコメントを残していたのがすごく印象的でした。
話題にしたくない繊細な話題こそ、話題にすべきなのかもしれないんですよね。
イラストもすごくシンプルかつ美しくて、のめり込むように読んでしまった。
さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ/永田カビ【泣ける下ネタ】
28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。
pixiv閲覧数480万超の話題作、全頁改稿・描き下ろしで書籍化。高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。
そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった──
自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。-あらすじより
普通に良い話だった(T . T)
ちょっとレズ風俗に行きたくなった(T . T)
誰しもが抱える「誰にも理解されない苦しみ」と、その突破口を探し続ける一人の女性の半生がものすごくリアルに描かれていました。
タイトルを見るとエロいのかな?と思うかもですが、そんなにエロい描写はなく、レズ風俗によって自分の殻をつき破る著者の葛藤がメイン。でもこれは良い話だった。。。
マチキネマ/サメマチオ【渋レトロ】
ざくざくっとしたイラストが印象的なサメマチオ先生の短編集。
日常的な話を描くのかと思いきやどこかにツッコミどころがあったり、でも1つ1つさっぱりと読めて今まで読んだことのない感覚的な作品でした。
お客のおばちゃんに恋する銭湯の番頭じいちゃん、甘味屋の娘と奇妙な客、などなんだかレトロ感が漂う渋いチョイスなのも好き。ほかの漫画には絶対にない独特の世界観にハマってしまいますね〜。
ひきだしにテラリウム/九井諒子【ショートファンタジー】
ファンタジーなようでリアリティのある不思議なショートショート33編がつまった作品。
人間がペットのように飼われる世界、お金持ちの王女様がたったひとりで生きている島の話、サンタクロースを派遣する会社の物語・・・
ぱっと見るとヘンテコな設定だけど、最後には妙に納得させられる話ばかりでした・・・。
- 植物は本当に愛を感じるのか?
- 動物は感情を持つのか?
- 世の中はお金がすべてなのか?
こういった哲学的な問いをファンタジーなイラストとストーリーで見事に鮮やかに伝えている巧みさにはものすごく吸い込まれる魅力がありました。次から次へとページをめくりたくなる。こんなワクワクする漫画はめったにないですね。。。
さきくさの咲く頃/ふみふみこ【切ない青春】
いやーーーこれはやばい(T . T)
記事の冒頭で紹介した「女の穴」を描いたふみふみこ先生の作品なんですが、学生時代に誰かを好きになったことのある人や甘すっぱい思いをした人は絶対に読んでほしい・・・(T . T)
「切ない」って言葉で片付けるにはおさまらないほど、昔の記憶を呼び覚ましてくれる作品でした。
ちょっと息苦しいような、胸がつまるような時代を思い出すきっかけをくれた名著です。。。ただの恋愛漫画じゃないところが本当に素晴らしい。。。
逃げる男/オノナツメ【不思議系ヒューマンドラマ】
「この森には、子供にしか姿が見えないクマがいる。一日そのクマと過ごして、無事に森を抜けられたら、なりたいものになれる」そんな伝説がある鬱蒼とした森の中に、足を踏み入れた一人の少女。そこで出逢ったのは……。
-あらすじより
独特で荒々しく力強いタッチで描かれるオノナツメ先生の画風と世界観は読む人を選びそうですが、個人的にはすごく好き。
”生きること”を達観したような描写と、悲観的なドラマの中に少しの希望が見える感じが心地よい。
大人のための童話を読んでいるような不思議な世界に引き込まれます。オノナツメ先生の他の作品も読んでみたくなったなぁ〜。
夜とコンクリート/町田洋【静けさと懐かしさ】
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作「夏休みの町」を収録した、新しくて懐かしい魅惑の作家、町田洋の初期作品集!
眠れない建築士と建物の声を聴く男。丘の上の戦闘機とありふれた夏休み。君に会えない僕と屋上で見上げた空。夜とコンクリート。平坦な日常にある、もう一つの地平に見たことのない景色がある。町田洋の静かな世界がここに!
-あらすじより
こちらもまた独特のシンプルな線画のイラストと世界観が素敵な作品。Amazonでも絶賛レビューばかりでした。
夏の夜の涼しさや、雑草をかきわけた先の田舎の海辺、ビルの屋上から眺める夏の空・・・懐かしさを感じさせる情景の中に、少しのファンタジー要素が入り込んだような面白さですね。
夏の景色に溶け込むように、主人公たちのドラマが繰り広げられていくのが清々しく、切ない。
セリフが少なく、イラストの”余白と静けさ”がまた読む人の想像を掻立てるような展開でじっくり読めました。あー、いいなぁ。この懐かしくてゆったりした読後感。
空っぽのやつでいっぱい/アボガド6【エグさと衝撃】
”なぜ僕たちの日常はこんなにも普通で、こんなにも狂っているのだろう。”——–
天才だと思った。
読み終えたあとの「うわぁ・・・この漫画やべえ・・・」感がすごかった。。。
別にイラストがエグいとかじゃないんですが、人間の感情描写がリアルすぎて・・・読んでいるこちらまで「うう・・・」って胸がえぐられるような気持ちで読み終えました。
著者はもともとニコニコ動画などで映像クリエイターをしていたアボガド6さん。Twitterやpixivに投稿した鮮烈な一コママンガ、短編マンガが大きな反響を読び、Twitterフォロワーは18万を超えるそうで。
きっと、誰もが一度は感じた胸糞悪さとか、妬みや憎しみを鮮明に描いているからだろうなぁと感じます。
つぎの作品集が楽しみで仕方ない。
ヘルタースケルター/岡崎京子【女と美】
沢尻エリカ主演で映画化もされた人気作。わたし、映画を先に観たんですが、映画に劣らぬ原作の勢いが印象的でした。結構ショッキングな内容。ぜひ女性に読んでほしい。。。
「もとのままのもんは骨と目ん玉と髪と耳とアソコぐらいなもんでね あとは全部つくりもんなのさ」。大掛かりな全身の整形手術とメンテナンスにより、完璧な美しさを持つモデルの「りりこ」。女優や歌手としても活躍し人気の絶頂を迎えるが、体は次々に異常を訴え始める。それにつれてりりこの心の闇も濃く、深くなり、彼女の人生はやがて手もつけられなくなるほどに壊れてゆく。
-あらすじより
イラストはかなりざっくりした描き方ですが、美しさに執着する様子や、主人公の脆い心の状態などよく表現されているので読んでるこちらも胸が痛くなります・・・。でも結末が予想外な方向にいくので、「そうきたかー!」と良い意味でゾクッとしました。
夕凪の街 桜の国/こうの史代【戦争のその後】
最近話題となった「この世界の片隅に」と同じ作者であるこうの史代さんの読み切り作品。
こちらも、第二次世界大戦で原爆が投下された広島で、その後を生きる人たちの様子を描いた内容。
昭和三十年、灼熱の閃光が放たれた時から十年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れた。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか…。著者渾身の問題作。第9回手塚治虫文化賞新生賞・第8回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞。
-あらすじより
アマゾンレビューでも「傑作だ」と賞賛の嵐でしたが、こういった視点で戦争の歴史を垣間見ることがなかったので、すごく興味深いとともに、「戦争は遠い昔話じゃない」ということに改めて気づかされました。
正直、これは学校の教科書に組み込んでほしいレベル。
というわけで、また面白いものがあったら随時更新していきます!!
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